大山稜
架空の自転車事故で保険金をだまし取ったとして、警視庁は、無職の原田勝(53)=千葉県船橋市藤原1丁目=や柔道整復師の小林栄(62)=東京都江戸川区南小岩2丁目=ら4容疑者を詐欺の疑いで逮捕し、10日発表した。同庁は、4人が保険金申請時に事故証明書の提出を求めない保険会社の仕組みに目をつけ、虚偽の申請を繰り返したとみている。
交通捜査課によると、4人は2017年12月、東京都板橋区内で自転車の単独事故を起こして72日間の治療を受けたなどとする虚偽の申告をして、保険金計46万8千円をだまし取った疑いがある。4人とも容疑を認めているという。
同課は、原田容疑者の主導で、接骨院を経営する小林容疑者に治療証明書の偽造を指示したとみている。ほかの2人は申請の名義人やその勧誘役だったという。同課は原田、小林両容疑者を中心とするグループが14~20年に少なくとも108件の虚偽申告をして、約2700万円を不正に受け取ったとみている。
自動車事故などの保険金請求では、警察に事故を届け出ると交付される事故証明書が必要となることが多い。しかし自転車事故の場合は事故証明書がなくても治療証明書などで保険金請求ができる保険会社も一部にある。原田容疑者は、約10年前に実際に自転車事故を起こしたときの請求で事故証明書を求められなかった経験から不正を思いついたといい、「事故証明書が保険金請求に必要ならやらなかった」と説明しているという。(大山稜)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル